
食品や光熱費、日用品など、さまざまな商品の値上がりが続く中、住宅や店舗のリフォーム費用について不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
「以前より見積金額が高くなった気がする」
「もう少し待てば、工事費は安くなるのか」
「今の予算で、希望するリフォームができるのか」
このようなご相談は、滋賀県で住宅リフォームや店舗改装を検討している方からも増えています。
2026年5月の全国消費者物価指数は、前年同月比で1.5%上昇しました。また、国土交通省の調査では、主要建設資材のうち、アスファルト合材、異形棒鋼、H形鋼、型枠用合板、石油などが前月より「やや上昇」とされています。資材の需給はおおむね均衡し、在庫も普通とされていますが、価格面では引き続き注意が必要です。
ただし、物価が1.5%上がったからといって、リフォーム費用も一律に1.5%上がるわけではありません。
工事費は、使用する建材、設備機器、職人の作業量、建物の状態、運搬費、廃材処分費など、さまざまな要素によって決まります。
今回は、物価高騰がリフォーム費用へどのように影響するのか、工事費はどこまで上がる可能性があるのか、滋賀県で今考えておきたい予算の組み方について解説します。
リフォーム費用は何で決まる?
リフォームの見積金額は、材料費だけで決まるものではありません。
一般的な住宅リフォームや店舗改装では、主に次のような費用が含まれています。
- 壁紙、床材、木材などの建築材料費
- キッチン、浴室、トイレなどの設備機器代
- 大工、電気、設備、内装などの施工費
- 既存部分の解体費
- 廃材の運搬・処分費
- 材料や設備の運送費
- 養生、清掃、現場管理にかかる費用
- 足場や重機などの仮設費用
このうち一つだけが値上がりしても、工事全体への影響は限定的な場合があります。
しかし、建材、設備、燃料、物流、人件費などが同時に上昇すると、工事全体の価格にも影響が広がります。
建築資材の価格はなぜ上がるのか
建築資材の価格が上昇する原因は、一つではありません。
主に次のような要因が関係しています。
- 原油や金属、木材などの原材料価格
- 円相場の変動による輸入価格
- 工場で使用する電気・ガスなどのエネルギー費
- トラック輸送や船舶輸送にかかる物流費
- 製造・施工に携わる人件費
- 海外情勢や災害による供給の混乱
- 特定の商品への注文集中
日本国内で製造されている建材でも、原材料や部品の一部を海外から輸入している場合があります。
そのため、海外の原材料価格や為替の変動が、国内商品の価格へ反映されることがあります。
国土交通省は、2021年後半から原材料費やエネルギーコストなどの上昇により、主要建設資材の価格が高騰してきたと整理しています。
職人の人件費も工事費に影響する
リフォーム工事には、大工、内装職人、電気工事士、設備工事士、塗装職人など、多くの専門職が関わります。
材料だけを用意しても、専門的な技術を持つ職人がいなければ、安全で正確な工事はできません。
国土交通省が2026年3月から適用した公共工事設計労務単価は、14年連続で引き上げられました。これは公共工事の積算に使用する単価であり、民間リフォームの価格を直接決めるものではありませんが、建設業界における労務費上昇の一つの参考になります。
職人の不足、賃金の改善、社会保険費用、安全対策費なども、施工費へ影響する可能性があります。
安さだけを優先して必要な施工時間や人員を削ると、工事品質や安全性に影響するおそれがあります。
工事費は一律に何%上がるとは言えない
「リフォーム工事は以前より何%高くなったのか」と聞かれることがあります。
しかし、すべてのリフォーム工事に共通する上昇率を示すことはできません。
例えば、壁紙だけを張り替える工事と、キッチン、浴室、給湯器を同時に交換する工事では、費用構成が異なります。
同じキッチンリフォームでも、既存設備と同じ位置に設置する場合と、キッチンの位置を移動して給排水や電気を変更する場合では、工事費が大きく変わります。
工事価格を左右する主な条件は、次のとおりです。
- 工事の種類と施工面積
- 使用する商品のメーカーとグレード
- 既存建物の劣化状況
- 解体後に補修が必要か
- 配管や電気設備を移動するか
- 材料の搬入がしやすいか
- 駐車場所を確保できるか
- 住みながら、または営業しながら工事するか
- 短期間での完成を求めるか
「物価が上がっているから、この工事は必ず何%上がる」と判断するのではなく、希望する工事内容に対して、どの費用が変動しているのかを確認することが大切です。
水まわりリフォームで注意したい費用
キッチン、浴室、洗面、トイレなどの水まわり工事では、設備本体の価格だけでなく、給排水や電気、換気、内装の工事費も必要です。
設備機器の価格が上がった場合でも、既存の配管や間取りを活かせれば、工事全体への影響を抑えられることがあります。
一方で、次のような変更を行う場合は、追加工事が必要です。
- キッチンやトイレの位置を移動する
- 在来浴室をユニットバスへ変更する
- 給湯器の能力や設置場所を変更する
- 電気式からガス式、またはガス式から電気式へ変更する
- 壁や床の内部にある配管を更新する
- 換気扇やダクトを新設する
設備本体の価格だけで予算を組むのではなく、取り付けに必要な関連工事まで含めて確認しましょう。
内装リフォームで注意したい費用
壁紙や床材の張り替えは、比較的工事内容が分かりやすいリフォームです。
ただし、施工面積だけでなく、下地の状態によって費用が変わります。
古い壁紙を剥がした後に、壁のひび割れ、カビ、下地の浮きなどが見つかると、補修が必要になります。
床材についても、既存床の上から施工できる場合と、床を撤去して下地から直す場合では、工事費が異なります。
物価高騰時に内装費を抑えるためには、高額な材料を選ぶことよりも、既存下地をどこまで利用できるかを確認することが重要です。
外壁塗装と屋根工事は先延ばしに注意
外壁塗装や屋根工事では、塗料、防水材、シーリング材、足場、職人の施工費などが必要です。
費用が高くなっているからといって必要な補修を長期間先延ばしにすると、雨水が内部へ入り、補修範囲が広がる可能性があります。
外壁表面の劣化だけであれば塗装で対応できたものが、雨漏りや下地の腐食まで進むと、外壁材や木下地の交換が必要になることもあります。
価格だけで時期を決めるのではなく、建物の状態を点検し、緊急性の高い部分から対応することが重要です。
店舗改装では営業開始の遅れもコストになる
美容室、飲食店、整骨院、サロン、事務所などの店舗改装では、工事費以外の費用も考える必要があります。
物件を契約した後は、営業していなくても家賃や共益費が発生する場合があります。
材料の納期や施工会社の予定を確認せずに開業日を決めると、オープンが遅れ、家賃や広告費だけが先に発生する可能性があります。
また、既存店舗の改装では、休業期間が長くなるほど売上への影響も大きくなります。
店舗リフォームでは、工事費を安くすることだけでなく、希望する時期に営業を始められるか、休業期間をどこまで短くできるかも重要な判断基準です。
滋賀県でリフォーム予算を組むときの考え方
物価が変動している時期は、見積金額と同額だけを用意するのではなく、工事全体を見渡した資金計画を立てることが大切です。
工事予算と総予算を分ける
住宅リフォームの場合、工事費以外に、家具、家電、仮住まい、引っ越し、荷物保管などの費用が発生することがあります。
店舗改装では、物件契約費、厨房機器、美容機器、看板、広告、備品、運転資金なども必要です。
リフォーム会社へ支払う工事費と、計画全体に必要な総予算を分けて整理しましょう。
予備費を別に確保する
築年数の経過した住宅や店舗では、解体後に配管の腐食、床下の傷み、雨漏り跡などが見つかる場合があります。
見積金額を予算の上限いっぱいに設定すると、想定外の補修が必要になった際に対応できません。
追加工事に備え、工事費とは別に予備費を確保しておくと安心です。
絶対に必要な工事を決める
予算が限られている場合は、すべての希望を同時に実現するのではなく、優先順位を決めます。
雨漏り、腐食、漏水、電気設備の不具合など、安全性や建物の耐久性に関わる工事は優先度が高くなります。
装飾、家具、一部の設備などは、営業開始後や生活開始後に追加できる場合があります。
後から施工すると高くなる工事を確認する
予算を抑えるために工事を分けても、必ず安くなるとは限りません。
壁や床の内部に施工する配管、配線、断熱材、下地補強などは、内装完成後に追加すると、再び壁や床を撤去する必要があります。
後から追加しにくい工事は最初に行い、簡単に追加できる設備や装飾を後回しにする方法が現実的です。
見積書で確認したい項目
複数の見積書を比較する際は、総額だけを見るのではなく、工事範囲と商品の内容を確認しましょう。
特に確認したいのは、次の項目です。
- 使用する商品のメーカー、品番、グレード
- 解体と廃材処分が含まれているか
- 電気、給排水、換気工事が含まれているか
- 壁や床の下地補修が含まれているか
- 養生、清掃、運搬費が含まれているか
- 追加工事が発生する条件
- 見積書の有効期限
- 価格改定があった場合の取り扱い
- 工事開始日と完成予定日
一方の見積書には設備工事や処分費が含まれ、もう一方には含まれていない場合、総額だけでは正しく比較できません。
「一式」と書かれた項目が多い場合は、どこまで含まれているのか確認することも重要です。
安い商品を選べばよいとは限らない
予算を抑えるために、すべての材料や設備を最も安い商品へ変更する方法もあります。
しかし、使用頻度が高い場所で耐久性の低い商品を選ぶと、早期に交換が必要となり、長期的には負担が増える可能性があります。
例えば、店舗の床や廊下、家族が多く使用する水まわりなどは、価格だけでなく、耐久性、清掃性、修理部品の供給も考慮する必要があります。
費用をかける場所と抑える場所を分けることが、予算内で満足度の高いリフォームを行うポイントです。
既存部分を活かして工事費を抑える
建物の状態が良ければ、すべてを撤去せず、既存部分を再利用できる場合があります。
例えば、次のような方法です。
- キッチンの位置を変えずに設備だけ交換する
- 状態の良い建具や収納を再利用する
- 既存床を残して上から新しい床材を施工する
- 店舗のカウンターを部分的に改修する
- 使用できる空調や照明を残す
- 間取りを大きく変えずに内装を更新する
ただし、古い設備を無理に残すと、完成後すぐに故障する可能性があります。
再利用できるかどうかは、見た目だけで判断せず、使用年数や状態を確認することが必要です。
相見積もりは条件をそろえて比較する
複数の施工会社へ見積りを依頼する場合は、希望する工事内容や商品条件をそろえて伝えましょう。
一社には高性能な設備を指定し、別の会社には標準仕様で見積りを依頼すると、金額を公平に比較できません。
また、最も安い見積りを選ぶだけでなく、次の点も確認してください。
- 現地調査を十分に行っているか
- 工事範囲が明確か
- 追加費用について説明があるか
- 希望する時期に施工できるか
- 完成後の対応や保証があるか
- 担当者へ相談しやすいか
見積金額が低くても、必要な工事が含まれていなければ、工事開始後に追加費用が発生する可能性があります。
価格が落ち着くまで待つべき?
今後、原材料やエネルギー価格が下がり、一部の建材価格が落ち着く可能性はあります。
一方で、職人の人件費、物流費、廃材処分費など、下がりにくい費用もあります。
そのため、「待てば以前の価格へ必ず戻る」と考えることはできません。
緊急性のない内装変更であれば、時期を検討する余地があります。
しかし、雨漏り、漏水、外壁の剥がれ、設備の故障などを放置すると、建物の傷みが進み、結果的に工事費が増える場合があります。
工事を行うかどうかは、価格の予測だけでなく、建物の状態と今後の使用予定を踏まえて判断しましょう。
早めに相談しても、すぐ契約する必要はない
リフォーム会社へ相談することと、すぐに工事契約を結ぶことは同じではありません。
早めに現地調査と見積りを行うことで、必要な工事、費用の目安、商品の納期、工事期間を把握できます。
その情報をもとに、資金を準備したり、工事範囲を見直したりすることができます。
物価高騰を理由に焦って契約するのではなく、時間に余裕を持って比較・検討するために、早めに相談を始めることが重要です。
滋賀県で住宅リフォームをご検討中の方へ
滋賀県内の住宅では、築年数、建物構造、使用されている設備によって、必要な工事が異なります。
同じ広さの住宅でも、床下や配管、外壁の状態によって工事費は変わります。
大津市、草津市、守山市、栗東市、湖南市、東近江市、高島市など、地域によって物件の条件や施工時の搬入環境も異なります。
広告に掲載された一律の金額だけで判断せず、現地の状態を確認したうえで予算を考えることが大切です。
滋賀県で店舗改装をご検討中の方へ
美容室、カフェ、整骨院、パーソナルジム、サロン、事務所などの店舗リフォームでは、内装工事以外にも設備や開業準備の費用が必要です。
工事費へ予算を使い切るのではなく、広告費、備品、商品の仕入れ、開業後の運転資金も確保しておく必要があります。
物件契約前に施工会社へ相談することで、その物件で希望する営業ができるか、どの程度の工事費が必要かを確認しやすくなります。
まとめ
物価高騰によって、建築資材、住宅設備、物流、人件費など、リフォームに関係するさまざまな費用が変動しています。
しかし、すべての工事費が一律に同じ割合で上がるわけではありません。
工事費は、使用する商品、施工範囲、建物の状態、設備の移動、下地補修の有無などによって大きく異なります。
滋賀県でリフォーム予算を考える際は、次の点を意識しましょう。
- 工事費と計画全体の総予算を分ける
- 想定外の補修に備えて予備費を確保する
- 安全性に関わる工事から優先する
- 後から施工しにくい工事を先に行う
- 見積書の工事範囲と有効期限を確認する
- 既存部分を再利用できるか調べる
- 商品価格だけでなく耐久性も比較する
- 早めに現地調査と相談を始める
株式会社空間デザインエイトでは、滋賀県内の住宅リフォーム、店舗改装、事務所工事、古民家改修などを行っています。
「物価高騰で予算が足りるか心配」「必要な工事の優先順位を相談したい」「現在の建物を活かして費用を抑えたい」といったご相談も承っております。
滋賀県で住宅や店舗のリフォームをご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。
※本記事は2026年8月時点の公表情報を参考に作成しています。建材、設備、施工費の価格は、商品、工事内容、発注時期、建物の状態によって異なります。実際の費用は現地調査と見積りによりご確認ください。
