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【大工の伝統常識】フローリングの向きはどう貼るのか

フローリングの向きはどう貼るのか

 正解から言います。 
フローリングの向きは部屋や廊下に対して長手の方向に貼るのが大工の伝統常識では正解です。

 

なぜ、長手の方向に平行に貼るのか

大工の基本と言えば和風建築です。より高度になると数奇屋風書院造りです。書院造りと言えば二条城、銀閣寺という風に、鎌倉・室町の代表的な建築では床材は全て長手の方向に平行に貼っていきます。
当時、床材は12尺という長さで加工されていましたので、短く切って貼るという事はありません。
現在ある合板のフローリングは長さは一般的に6尺(1820mm)ですので、どういう貼り方もできますが、すっきりとした廊下や部屋に見せる場合は、長手に貼る方が奥行き深く見えて部屋や廊下が広く見えるので見栄えが良いからです。

フローリングの向きが間違えている所もある?


昔は大工さんが建築現場では一番偉い存在で、大工さんの言う事は絶対に逆らえないという風習がありました。
その大工さんが昔から引き継がれた方法は絶対で、床材の向きは長手の方向に貼るのが当たり前でした。
私が大工見習いの頃(約30年前)にフローリングの向きを間違えて貼った大工さんがいて、貼り直しをしていた事もあります。
周りの職人さんからは笑い者にされ、その後、何年間も馬鹿にされて難しい仕事は与えられず下っ端のままでした。
 
しかし、現在は工務店やハウスメーカー、ゼネコンなど元請業者が一番偉い立場になり、下請けの大工さんは元請業者に逆らう事は出来ません。
元請業者に逆らうと次から仕事がもらえなくなったり、関係が悪くなったりするので、元請業者が指示した事を正確に作業するのが現状の大工さんです。
そんな元請業者の設計者やデザイナー、監督さんがフローリングの向きに付いて知らなかったり、間違えてても気付かなかった場合は、大工さんが気付いていてもフローリングを逆に貼る。という事も起こります。
もっとリアルな事を言うと、一流大学を出たての新人の現場監督さんに中卒の大工さんが「図面のフローリングの向きが逆だよ」と言っても正解を知らずにプライドがあるので「図面通りに貼ってください。」と認めない事も起こります。

木の向き


例えば上の写真の木目は右側が根っこの方だった木と分かりますよね。
大工の伝統常識で柱に使う場合は根っこの方を下にして柱を立てます。
壁の場合も根っこの方が下になるような木目の柄で壁を貼ります。
ここまでは多くの人が理解出来ると思います。
 
床や天井の場合は木目の先(根っこの方の逆で、上に生えていた方)を南、または東に向けて貼ります。
部屋の長方形の向きによって、長いほうが南に向けない時は東に向けて。逆に東に向けられない場合は南に向けます。
神棚や仏壇も同じく南、または東に向けに設置しますよね。
太陽が昇ってくる方角である「東向き」「南向き」はが最も清浄される向きであり、植物は太陽に向かって育ちます。
植物の木が建築の材料となっても生えていた方向の自然の摂理に逆らわない方角で使うのが大工の伝統常識です。


昔の大工さんは「刻み」と言って木造の骨組みを丸太から切って削ってほぞを掘って、一から手作業で作っていましたが、1990年頃(約30年ほど前)からプレカットと言って工場でコンピューターで全て加工されたものをプラモデルのように組み立てるという仕事に変わってきました。
昔の大工さんなら木の切り口を見れば何の木なのか、硬いか柔らかいか、水に強い弱い、どこに使えば最適なのか、東西南北どちら向きに生えていたか、だいたい分かります。
 
現在の木は印刷が貼り付けてあったり、表面だけ薄皮の木が貼り付けてあったり、木の目の向きが無いようにしてあるものも多いので、木の向きなんか考えた事も無い大工さんもいるかも知れません。
それはそれで一長一短あり、反りや曲がり、耐久性や強度も天然木材より優れている部分もあるので良いと思いますが、昔の大工さんの知識が無くなっていく事は寂しい気持ちです。