滋賀県民なら誰もが知っている「びわ湖大津プリンスホテル」は1989年(平成元年)4月22日に開業しました。
親方の知り合いの大工さんの手伝いに「びわ湖大津プリンスホテル」に親方と2人で2日間だけ助っ人に行きました。
正確な日は覚えていませんが、とても寒い時期でした。
高層階なので風が強く、窓ガラスやドアも中途半端な状態でしたので、部屋の中にも風がピューピュー吹いていたのを覚えています。
まず、地上の現在は駐車場になっている辺りで朝礼が毎日開催されていたのを覚えています。
作業員が全員で100~200人くらいいたでしょうか。全員でラジオ体操を行い、監督さんから安全についてや作業の流れの話しがあり、次々と自分の工事現場に移動します。
私は30数階だったと思います。なにしろかなりの高層階でした。
まだエレベーターは使えず、あるのは工事用のエレベーターのみ。
その工事用のエレベーターも使えるのは材料を運ぶ為の人や、偉いさんくらいしか使えません。
私は、建築業界に入って間もない若造。エレベーターなんて使用させてもらえる立場でも何でもありません。当然、階段で30階以上を上がります。
まず、道具を運ぶのに朝礼前(朝の8時まで)に2往復。朝礼後に再度上がります。
そこで鉛筆を忘れた事に気付き、親方に怒られてから地上の自動車の中まで鉛筆を取りに1往復。
朝9時までに合計30階以上の階段を3往復です。それだけでくたくたになりますよ。
10時には、一番の下っ端の私は休憩用の缶コーヒーを買いに1往復(階段で4往復目)。とんでもない現場だったと記憶しています。
その後、お昼はみんな弁当を持っているので階段は降りずにすみました。
食後の休憩が終わり、作業に入ってしばらくすると便意が。。。
寒いのでお腹が冷えたようです。
まだ建設中なので床がコンクリート剥き出しのままで底冷えする環境です。
靴底から冷感が伝わってきて身体の芯まで冷やします。
その上冷たい風がピューピュー吹いている環境です。
そうです。芯まで冷やされたお腹はピーピー叫んでいます。
トイレは1階です。
小便器は数階に1つずつ設置されていりたような記憶がありますが大便器は1階まで階段で降りないといけません。
1フロア降りる毎にピーピーは酷くなります。
限界間近です。
「あと20階」「あと10階」「あと5階」と自分に言い聞かせ、励ましながら階段を降りていきます。
「あと3階」「あと2階」「あと1階」
ゴールは間近です。お腹も秒読み段階に入っています。
3・2・1!
トイレにやっと到着しました。
3つあるのですが、全部、使用中・・・
全身の力が抜けて、出てしまいました。
まだ、当時は携帯電話も持っていない時代でしたので、そのままパンツを買いにコンビニに行って、履き替えて、親方にめっちゃ怒られた。
という、ひどい目にあった話しでした。
「びわ湖大津プリンスホテル」には、30階以上の階段を1日に何往復もさせられ、漏らす。という嫌な思い出があります。
関連記事
#大工の伝統常識