マンションの上下階の音は気になるものですが、在宅ワークなどで在宅時間が増えるとより悩ましいシーンも増えるもの。
そんな中、マンションリフォームで、床の防音工事を承りました。
今回は、マンションの床の防音について、使用する防音マットの等級から、実際の施工風景をご覧ください。
遮音マット(防音マット)の等級
マンションで遮音を考える際に、低コストで効果的なのが遮音マットです。
遮音マット(防音マット)には、以下のような等級があります。
遮音等級 | 椅子の移動・物の落下等 | 生活実感 |
---|---|---|
⊿LL(Ⅰ)-5 (旧LL40) |
通常ではほとんど聞こえない | 上階の気配を感じる事がある |
⊿LL(Ⅰ)-4 (旧LL45) |
ほとんど聞こえない | 上階の音がかすかにする程度 |
⊿LL(Ⅰ)-3 (旧LL50) |
小さく聞こえる | 上階の音が多少意識される |
⊿LL(Ⅰ)-2 (旧LL55) |
聞こえる | 上階の生活音が意識される |
「⊿」の記号は「デルタ」、「⊿LL等級」は「⊿・エルエルトウキュウ」と読みます。
さらに、これらの等級の遮音マットを使用した場合にどれくらいの衝撃音低減性能があるのかを一覧にしたものがこちらです。
表記する等級 | 軽量床衝撃音レベル低減量の下限値 | ||||
---|---|---|---|---|---|
125Hz帯域 | 250Hz帯域 | 500Hz帯域 | 1kHz帯域 | 2kHz帯域 | |
ΔLL-5 | 15dB | 24dB | 30dB | 34dB | 36dB |
ΔLL-4 | 10dB | 19dB | 25dB | 29dB | 31dB |
ΔLL-3 | 5dB | 14dB | 20dB | 24dB | 26dB |
ΔLL-2 | 0dB | 9dB | 15dB | 19dB | 21dB |
ΔLL-1 | -5dB | 4dB | 10dB | 14dB | 16dB |
※一般財団法人日本建築総合試験所記載の軽量床衝撃音低減性能の等級(ΔLL等級)参照
末尾の数字が大きいほどに、床材の衝撃音を低減してくれる効果が高いことを示しています。
今回の工事では、⊿LL(Ⅰ)-5等級の遮音マットを採用しています。
遮音マット(⊿LL(Ⅰ)-5)施工事例
⊿LL(Ⅰ)-5等級の遮音マットで施工すれば、マンションでもフローリングにすることが可能となります。
床材の下に遮音マットを敷く
⊿LL(Ⅰ)-5等級の遮音マットを下地材の上にボンドで貼っていきます。
しっかりと張り、乾燥させます。
遮音マットの上にコンパネ貼り
遮音マットの施工が完了したら、その上にコンパネを貼り土台を作っていきます。この上にフローリングやクッションフロア等、お好みやご予算に応じて様々な床材での施工が可能となります。
通常、マンションの床工事を行う場合には、管理規約により遮音等級が定められており、その規約から外れていれば承認が出ず工事を施工することはできません。
また、マンションで本格的な防音を考えるとき、「二重床」といって、床構造を2重にして土台と床の間に空間を作る方法があります。二重床は遮音性は高いのですが、床を上げる分、天井が低くなったり、大きな段差ができてしまったり、コストが高かったりとデメリットもゼロではありません。
ですが、このように遮音マットを敷き、その上に床材を被せるといった方法であれば、二重床よりコストも押さえられ、天井が低くなるのも防げます。
これで遮音性の高い床の土台が完成です。
あとは、この上に床材を施工していきます。つづきはまた次回以降でご紹介します。
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