
2026年に入り、住宅・建築業界で注目されているのが、石油やナフサを原料とする建材・住宅設備の供給と価格の問題です。
ナフサという言葉は、普段の生活ではあまり聞き慣れないかもしれません。しかし、壁紙、床材、接着剤、塗料、断熱材、配管材など、リフォーム工事で使用する多くの製品に関係する重要な原料です。
そのため、ナフサの供給や価格が不安定になると、滋賀県で行う住宅リフォームや店舗改装にも、材料価格の上昇、納期の長期化、商品の変更といった影響が出る可能性があります。
今回は、ナフサとリフォームの関係、現在の建材供給の状況、工事を検討している方が注意したいポイントについて分かりやすく解説します。
ナフサとは何に使われている原料なのか
ナフサは、原油を精製する過程で得られる石油製品の一つです。
主に石油化学製品の原料として使用され、加工されることでプラスチック、合成樹脂、合成ゴム、塗料、溶剤、接着剤など、さまざまな製品になります。
住宅や店舗のリフォームでは、次のような製品にナフサ由来の原料が使われています。
- ビニールクロスなどの壁装材
- 塩ビタイルや長尺シートなどの床材
- 床材や壁材の施工に使用する接着剤
- 給排水設備に使用する樹脂製配管
- 雨樋や樹脂製の建築部材
- 断熱材
- 塗料やシンナーなどの溶剤
- シーリング材や防水材
- 電気配線を覆う樹脂部分
- 住宅設備や建具に使用される樹脂部品
リフォーム工事は木材や金属だけで行うものではありません。
壁紙の張り替えや床の改修、水まわり設備の交換、外壁塗装など、一般的な工事の多くが石油化学製品と関係しています。
本当にナフサがなくなっているのか
「ナフサ不足」という言葉から、すべての材料が手に入らなくなる状況を想像する方もいるかもしれません。
しかし、2026年5月に国土交通省が示した情報では、ナフサ由来の化学製品については、年を越えて供給を継続できる見込みが立っているとされています。
塗料の原料となるトルエンや、断熱材の原料となるウレタンについても、前年実績相当の供給が可能と確認されています。
一方で、通常より多くの発注が一時期に集中すると、流通段階で需給が逼迫し、商品によって納期の遅れや在庫不足が発生する可能性があります。
つまり、すべての建材が一律に不足しているわけではありませんが、商品やメーカー、発注時期によって状況が異なるため、注意が必要です。
供給不足より価格上昇に注意が必要
今後のリフォームで特に注意したいのは、建材が完全に入手できなくなることだけではありません。
原材料価格、製造費、輸送費、人件費などの上昇により、建材の販売価格そのものが改定される可能性があります。
実際に大手内装材メーカーでは、2026年7月1日受注分から、壁装材、床材、ファブリック、接着剤などを対象に、商品によって18%から30%程度の取引価格改定を実施しています。
ただし、メーカーの価格改定率が、そのままリフォーム工事の総額に上乗せされるわけではありません。
工事費には、材料費だけでなく、施工費、設備費、運搬費、廃材処分費、現場管理費なども含まれます。
そのため、例えば壁紙の価格が20%上がったからといって、リフォーム総額がそのまま20%上昇するわけではありません。
一方で、壁紙、床材、接着剤、配管材、断熱材など、複数の材料が同時に値上がりすると、工事全体への影響が大きくなる可能性があります。
滋賀県のリフォームではどの工事に影響しやすい?
ナフサ由来製品の価格や供給状況は、滋賀県で行われる次のようなリフォームに影響する可能性があります。
内装リフォーム
壁紙、クッションフロア、長尺シート、塩ビタイル、接着剤などは、石油化学製品との関係が深い材料です。
住宅のクロス張り替えだけでなく、美容室、飲食店、クリニック、事務所などの店舗内装にも多く使用されています。
水まわりリフォーム
キッチン、浴室、洗面、トイレの交換では、給排水管、樹脂部品、断熱材、シーリング材などを使用します。
設備本体の納期だけでなく、施工に必要な副資材の調達状況にも注意が必要です。
外壁塗装・防水工事
外壁塗料、下塗り材、シーリング材、防水材、シンナーなどにも石油由来の原料が使用されています。
塗料そのものが確保できても、特定の色や仕様、副資材の納期が延びる可能性があります。
断熱リフォーム
床、壁、天井に使用する断熱材の一部には、ナフサ由来の原料が使われています。
希望する断熱性能を保ちながら、別メーカーや異なる種類の材料へ変更する必要が生じる場合もあります。
店舗改装・新規開業
店舗工事では、床材、壁紙、塗料、接着剤、設備配管など、多くの材料を短期間にまとめて使用します。
一つの材料が遅れるだけでも、次の工程へ進めず、開業日程に影響する可能性があります。
リフォームの工期は長くなるのか
すべての工事で工期が延びるわけではありません。
一般的な材料が通常どおり確保できれば、これまでと同様の工程で施工できます。
ただし、次のような場合は、通常より準備期間が必要になる可能性があります。
- 特定メーカーの商品を指定している
- 色や柄、品番に強い希望がある
- 特殊な防火・防水・防音性能が必要
- 店舗の開業日が決まっている
- 複数の設備機器を同時に交換する
- 受注生産品や輸入品を使用する
- 工事直前になって商品を決定する
特に店舗の新装や全面改装では、予定していた床材や壁材が入荷しないと、後の家具設置や設備工事にも影響します。
工事開始日だけを決めるのではなく、材料の確保と納期を確認したうえで、完成日を設定することが重要です。
見積書の有効期限を確認する
建材価格が変動している時期は、以前に作成された見積書と、実際の発注時点の価格が異なる場合があります。
リフォームの見積書には、通常、有効期限が設けられています。
見積りを受け取ってから数か月間検討し、その後に工事を依頼した場合、材料費や設備価格が変更されている可能性があります。
見積書を確認する際は、総額だけでなく、次の項目も確認しておきましょう。
- 見積りの有効期限
- 使用する商品のメーカーと品番
- 価格改定時の取り扱い
- 代替商品へ変更する場合の条件
- 追加費用が発生する可能性
- 材料を正式に発注する時期
早めに見積りを取ることは重要ですが、見積りを取っただけでは材料の価格や在庫が確保されるとは限りません。
正式契約や商品発注のタイミングについても、施工会社へ確認する必要があります。
工事費を抑えるためにできること
建材価格が上昇している時期でも、計画の立て方によって無駄な費用を抑えられる場合があります。
使える部分を残す
すべてを解体して新しくするのではなく、状態の良い床、建具、収納、配管などを再利用できれば、材料費と解体費、廃材処分費を抑えられます。
商品を一つに絞りすぎない
特定の商品や品番だけに限定すると、在庫不足の際に工事全体が止まる可能性があります。
同等の性能やデザインを持つ代替品を事前に検討しておくと、計画を進めやすくなります。
優先順位を決める
安全性や営業に直結する工事を優先し、装飾や追加設備を後から施工する方法もあります。
ただし、後から施工すると二重工事になる部分もあるため、施工会社と相談して判断することが必要です。
複数の工事をまとめる
壁紙、床、水まわりなどを別々の時期に施工すると、養生費、運搬費、現場管理費などがその都度必要になる場合があります。
関連する工事をまとめることで、全体の費用を抑えられることがあります。
早い段階で現地調査を依頼する
現地調査を早めに行うと、必要な工事と再利用できる部分を整理しやすくなります。
商品選定や代替案を考える時間も確保できるため、直前の変更による追加費用を防ぎやすくなります。
価格が下がるまで待ったほうがよい?
「もう少し待てば建材価格が下がるのでは」と考える方もいると思います。
しかし、将来の原材料価格、為替、物流費、人件費を正確に予測することは困難です。
待つことによって価格が下がる可能性もありますが、反対に設備の故障や建物の劣化が進み、補修範囲が広がる可能性もあります。
例えば、小さな雨漏りを放置すると、天井材だけでなく、壁、断熱材、柱まで傷むことがあります。
給排水管の漏れや外壁のひび割れも、早い段階で対応した方が補修範囲を小さくできる場合があります。
価格だけで判断するのではなく、現在の建物の状態、工事の緊急性、今後の利用予定を踏まえて判断することが重要です。
急いで契約する必要はない
建材の値上げや供給不安が報じられると、「すぐに契約しなければならない」と感じるかもしれません。
しかし、内容を十分に確認せずに工事を決めることはおすすめできません。
リフォームでは、完成後に簡単に変更できない部分も多くあります。
特に間取り、給排水、電気、断熱、空調などは、工事後に変更すると大きな費用が必要です。
大切なのは、必要以上に焦ることではなく、早めに相談を始め、材料の価格と納期を確認しながら計画を進めることです。
滋賀県でリフォームを検討している方へ
滋賀県では、戸建て住宅、マンション、古民家、店舗、事務所など、建物の種類によって必要な工事が異なります。
同じ壁紙の張り替えでも、下地の状態や施工面積、使用する材料によって費用と工期は変わります。
水まわりや店舗改装では、設備の納期や配管工事、電気工事も含めて計画する必要があります。
ナフサや建材価格のニュースだけを見て判断するのではなく、まずは現在の建物を確認し、どの工事が必要なのかを整理することが大切です。
まとめ
ナフサは、壁紙、床材、接着剤、塗料、断熱材、配管材など、リフォームで使用する多くの製品と関係しています。
2026年7月時点では、ナフサ由来製品の供給がすべて止まるといった状況ではありません。
一方で、集中発注による一時的な納期の遅れや、原材料費の上昇を背景とした建材価格の改定には注意が必要です。
滋賀県で住宅リフォームや店舗改装を予定している方は、次の点を意識して計画を進めましょう。
- できるだけ早く現地調査と見積りを依頼する
- 見積書の有効期限を確認する
- 商品の価格と納期を確認する
- 代替商品も含めて検討する
- 必要な工事の優先順位を決める
- 開業日や入居日から逆算して準備する
株式会社空間デザインエイトでは、滋賀県内の住宅リフォーム、店舗改装、事務所工事、古民家改修などを行っています。
「希望する材料を確保できるか知りたい」「建材価格が上がる前に見積りを確認したい」「予算内で優先すべき工事を相談したい」といったご相談も承っております。
滋賀県でリフォームや店舗改装をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。
※本記事は2026年7月時点の公表情報をもとに作成しています。建材の価格、在庫、納期は、メーカー、商品、発注時期によって異なります。実際の工事計画では、最新の供給状況をご確認ください。
