比良おろし(比良八荒)で、家の屋根が飛んだ話しても書いたのですが
滋賀では風が強い時があります。
人が凧にに乗ったように、工事現場で飛ばされた話し
今から20年以上前に、びわ湖バレイの麓で新築一戸建ての工事をしていた時の話しです。
その日は新築一戸建ての建前の日で家の骨組みを組み上げます。
レッカー車で家の材料の柱や梁、コンパネなどを吊り上げてもらい、私達は組み上げていきます。
朝一番に現場に到着したレッカー車からは若い女性が現れました。
そうです。レッカー車のオペレーターは若い女性です!
男ばかりの現場に若い女性は、嬉しい反面、やりづらい事もあります。
まずはレッカー車のオペレーターに挨拶をし、本日の作業内容を説明します。
そこで、オペレーターは新人で慣れていないという事も言われました。
心配です。作業時間内に終わるのか?怪我をさせられないか?
若い女性は現場が華やかになるので良い事でもありますが、その反面、気を使いながらの作業になる事もあります。
男同士だとキツく言う事も出来る場面でも、女性にはキツく言う事が出来ないなど、ついつい気を使ってしまいます。
その日も朝一番から2階の床になる梁の上に立ち、柱をレッカーで吊り上げて、私の所に運んでもらっている時に
「ストップ!ストップ!ストップ~!」と叫んでもストップしないので、ぎりぎり2階から落ちそうになる場面がありました。
そんな時、男同士だとレッカー車のオペレーターに罵倒を叫ぶのですが、女性には出来ません。。。
そんなこんなで骨組みが完成して、屋根のコンパネを屋根の上にレッカーで吊り上げる時のことです。
夕方になり、風が強くなってきました。
風が強く、危険なのでコンパネを吊り上げる準備をして、風が弱まる瞬間を待っていると
レッカー車のオペレーターが勝手にクレーンを持ち上げたのです。
コンパネの上には、コンパネが飛ばないように人が乗っているにも関わらず!
(今は駄目ですが、当時は材料と一緒に人がクレーンで2階まで上がる事もありました。)
コンパネの上に乗っている人は風が強いので、まだ上げてはダメだ!と叫んでいますが止まりません。
コンパネから落ちないように必死にしがみつきます。
その時、更に風が強くなり、レッカーのワイヤーがほとんど真横になるくらいになりました。
もう、忍者が凧に乗っている状態です。
周りの見ている職人さん達は笑うに笑えないくらい焦りました。
その風も一瞬だったので、数十秒後には何とか屋根の上にコンパネを運ぶ事には成功し、怪我も無かったのですが、衝撃的な瞬間でした。
当然、レッカー車のオペレーターが若い女性で、謝っていたのでキツく言う事も出来ず、笑って終わりましたが
弱々しい男性のレッカー車のオペレーターならボコボコにしてたでしょうね!笑
#大工の伝統常識