大工だけの常識には、業界独特の慣習や知識、技術が含まれます。
材料の扱い方
大工だけの常識ですが、木材の「表」と「裏」を絶対に把握して木材を使います。
木には自然の模様や繊維の流れがあり、仕上がりを美しくするために適切な向きで使うのが基本。
そして、木材は湿度に敏感で、施工前に乾燥させたり、現場での湿度管理や保管方法に気を配る。
道具の使い方
大工だけの常識ですが「ノミ」や「カンナ」の手入れは基本中の基本。
朝に仕事が始まるまでに刃物を常に研いでおくことで、作業の精度と効率が上がる。
工具の持ち運び方も、道具の刃を他人に向けないなど、安全性を重視し、厳重に皮などのカバーで刃を傷めないようにする。
木組みの技術
大工だけの常識ですが、釘やネジを使わず、木材を組み合わせる「ほぞ」や「継ぎ手」の技術は大工独自のもの。
この技術により、強度や耐久性を高めるだけでなく、美しい仕上がりを実現する。
これは、大工にしか出来ない技である。
寸法の読み方と癖
大工だけの常識ですが「尺貫法」という伝統的に尺や寸で寸法を測るため、現場ではメートル法と併用することがある。
場合によっては、少し大きめに木材を切り、木材が収縮する癖を見越して調整する「大工寸法」というものもある。
読み方も独自で「一寸五分」を「すんご」と言ったり「一寸3分」を「すんさん」と呼ぶ。
仕上がりへのこだわり
大工だけの常識といか性格というか、隠れた部分の美しさにもこだわり、見えない場所でも手を抜かない人が多い。
単純に木材を貼るのではなく、木目や色合いの統一感を大切にして美しさをこだわる。
現場独特の礼儀
「仕事始めと終わりの挨拶」や「工具の片付け」は基本中の基本。
施主や他業者への礼儀を重んじる。
こういったことは大工さんの現場での経験や師匠(親方、棟梁)からの教えによって身につくもので、一般の人にはなじみが薄いですが、大工の世界では当然とされています。
#大工の伝統常識